Tさんからのお便り・・・ボローニャより
Tです。本日、ミラノから無事にボローニャに到着し、NOWHEREの会場におもむき5曲ばかり演奏を聞いてから机に、貴方からご依頼頂いたお花を置いてきました。やはり会場の中は誰一人言葉を発しない空間で、フォルメンティさんも私を一瞥しつつも口の端をちょっと歪めるだけで声は発しない形。黙々とただピアノを弾き、弾き終わると演奏した曲目を白い壁に鉛筆で記していきます。演奏室の四方の壁はケージやフェルドマン、サティらの曲目と演奏時刻で埋まっていました。会場で聴いているのはボローニャの大学生や音楽愛好家たちのようで、お互いに顔見知りも多いらしく、誰も喋らないながらも、この空間を楽しもうという親密な空気が漂っていて、居心地のよい場所でした。
フォルメンティさんが部屋を外した隙に、写真の花束を机に置きましたが、それも微笑ましい行為として、暖かく受け止められているようでした(ほかに、学生さんが差し出したイチゴをフォルメンティさんが一つつまんで食べる場面もありました)花に差したメッセージを見たフォルメンティさんは、ニヤリとしてメッセージに返信を書いて渡してくれましたが『ありがとう、君のことは覚えているが、演奏の途中で話してはいけないことになっている。来てくれてありがとう。』といったことが書いてあり感激しました。
マットレスとクッション以外のほぼ全ての家具が廃された白い部屋に、ケージの音楽が響いているのも実に面白く、有意義な時間でした。
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